第11話:当時の私はガチガチだった
<これは2015年02月16日に投稿したものを再編集した記事です>

前回のあらすじ。
じょびネッツァのたまり場を訪れるため、リムサ・ロミンサに戻ってきた私。
午前中にアジッフーさんに出会えたことから、「きっと夜も!」と走る私はしかし、状況次第ではログアウトを視野に入れるのでした。
◆
そんなわけで訪れたじょびネッツァのたまり場。
その様子は「お祭り会場」というよりは、まったり談笑中という感じで、ちょうど1人のララフェルがマイディさんに別れを告げているところでした。
頭の上に初心者の証である「若葉マーク」がついていたので、たぶん私と同じ目的でたまり場を訪れた人だったのではと思います。

タイミングとしてはこれ以上ないほどにベスト。
じょびネッツァの方々は定位置、マイディーさんも1段下のところに座っていて、これからどこかに行こうという雰囲気は感じられませんでした。
そんなチャンスに恵まれたにも関わらず、緊張がピークに達する私。
マンツーマンだったアジッフーさんの時とは異なり、現在はマイディーさんを中心に、ブログで見たじょびネッツアの方々が控えています。
その光景はさながら、神話から飛び出してきた円卓の騎士団。
下手なことを発言したら打ち首にされるのでは、という勝手な被害妄想を抱くレベルです。
でも、それでもほんの少しでいい。
エオルゼアに来た思い出の1つとして、少しだけ会話をさせてもらおう。

まずは挨拶、その後に会話です。
会話の内容は一撃確殺SS日記を見て新生エオルゼアを始めたこと、朝はアジッフーさんにお世話になったことなどでした。
キーボードを叩く手がぷるぷるしていたのを覚えています。
それでも最初のイメージ(円卓の騎士団)より話やすくて、楽しい時間をいただきました。
そんなこんなで、そろそろおいとましようと思った時、最後にじょびネッツァの方々に会えた感動を告げることに。
しかし、「なんて言えば失礼にならないかな」、と当時の私は悩みます。
「円卓の騎士団に会えた、くらいの感動があります!」というのは少々堅いかもしれない。
そもそも会話の過程でそのイメージはだいぶ薄れていたし。
ならばもっと別の、身近でわかりやすいものはなんだろう?
考えた結果、私が辿りついたのはSMAPでした。
これなら堅くないし、有名だし、円卓の騎士団より身近だしとパーフェクト。
「SMAPに会えたくらいの感動があります」
私がそう言うと、皆さんそれぞれの反応をしてくれました。
その中に、
「じゃあ、マイディーさんはキムタクですね」という反応があり、私は硬直します。
「SMAPのリーダーはキムタクだったっけ?」そんな疑問を抱いてしまったのです。
マイディーさんはじょびネッツァのマスター。
そしてSMAPのリーダーはたしか、ナカイくんだったはず。
となると、マイディーさんはキムタクではなく、ナカイくんでは?!
MMORPGに限らず、チャットなどの文字による会話において、自分が入力する文章はよく吟味する必要があります。
相手の発言をよく見て、こういう返答なら大丈夫かなと考えることが大事、ということを言いたいのですが、
今回は、バカはバカなりにバカな事で悩む、というお手本になりました。
みなさん、参考にしないでください。
しかし、なぜにキムタクなのか?
iPhoneは充電中で、パソコンは起動させていなかったため、自分の頭で考えるしかない私。
けれど、あまりに考え過ぎて無言になっていると心配されるかもしれない。
速さと正確さが求められる、ハイレベルなエオルゼアの会話。
されど、速さと正確さは弓術士の基本!
そうして私が導き出した答えは、
「これはツッコミ待ちのボケなのかもしれない!」
どうしようもないものでした。
でも、当時の私はそう思ってしまったのです。
誰かがボケて、誰かがつっこむ。
「じょびネッツァの方々は本当に仲が良いんだなー」、なんて楽観していたものでした。
しかし、

だ、誰もつっこまない?!
どうしたことか、ほんの少しの間、じょびネッツァのたまり場に不思議な静寂が訪れていました。
もしかして、じょびネッツァはツッコミ不足なのかな。
いや、マイディーさんがなにも言わないところを見ると、もしかしてキムタクのファンなのかな。
それとも皆さんリアルでなにかあって、「ちょ、待てよ!」な状態なのかな。
様々な思考が巡る中、たまり場の時間は過ぎていきます。
その時私は、
「こ、このままではボケの鮮度が落ちる!」
バカなことを考えて真面目に焦っていました。
そして、決意します。
「自分がつっこむしかない!!」
当時の私にとって、それは清水の舞台から飛び降りるくらいに勇気がいることでした。
しかし、SMAPの話題を出したのは他でもない私自身。
たまり場の空気を戻すためにも頑張らなければ!
そうして、震える手でキーボードを押した私はけれど、
「あれ、ナカイってどんな漢字だっけ……」と指を止めたのでした。
中井? 中伊? 仲良? 仲衣? わ、分からない、緊張し過ぎて分からない。
中か仲かすらも分からない!
そんなふうに悩んでいる間にも時間は過ぎていきます。
「あぁぁ、鮮度が! 鮮度が!!」
ここにきてパニックに近い状態となる私。
「こんなことならSMAPじゃなくてTOKIOにしておけばよかった!」という後悔を胸に打ち込んだのは、
「さて、そろそろ御暇します。お話、ありがとうございました」
耐え切れなくなったがゆえの別れの挨拶でした。
◆
その後、

鍛冶師をやりながらパソコンを立ち上げた私は、Googleで検索をかけたのでした。
同時に、「やっぱりカタカナでもつっこんでおけばよかったかな?」とちょっと反省。
エオルゼアの会話とはいえ、皆さん一般常識は頭に入れておきましょう。
でないと、いざという時に困ります。
それと、人との会話で生じる緊張は、人と会話することで慣れていくしかないと思います。
「緊張するから話さない」ではなく、「緊張するからこそ、人と話して慣れてしまおう」という心意気が大事です。
もちろん、そのことに私自身が気付くのは、もっと先のお話。