第1話:光のお父さんに導かれて(前編)

前回のあらすじ。
今日から新カテゴリ!
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この日、私は「劇場版 光のお父さん」を見るため京都へ赴く準備をしていました。
服装よし。
バッグよし。
充電器よし。
お腹が痛くなった時のための正露丸よし。
数日前から立てていたこの計画にぬかりなし。
これなら東京にだって行ける――そんな気概でした。
しかし翌日、映画に勝るとも劣らないリアルイベントが起きることを、この時の私はまだ知らなかったのです。
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冗談じゃない!!!
日曜日だっていうのに仕事の日より早起き、どうもイナゴです。
それもこれも地元の映画館が光のお父さんを上映しないのが原因。
いっつもそう! 本当いっつもそう!!
ゴジラ キング・オブ・モンスターズの時もそう、Fate/stay night [Heaven's Feel]の時もそう!!!

でもエイリアンコヴェナントは取り扱った地元の映画館、えらい。
けれど、基準が分からない!!
おかげで私は京都に行く用事があるこの日に、半ば強引に二条の映画館へと足を運ぶことに。
元々の用事が昼からなため、映画は午前中開始午前中終わりが必至。
となると必然的に見れるのは、8時45分開始のものだけであるため、冒頭のような時間帯に「おはようございます」ということになりました。
冗談じゃない!!!
しかし、別の日に行くというはもっと冗談じゃない。
なぜなら、地元から京都までの電車代が決して安くないから。
下手したら1~2日分の食費と同じくらいの電車賃、そこにさらに映画代が加わるので、もう目も当てられない。
お財布強制ライザップって感じ、仕上がってるよ、仕上がってるよ。
ということで早起きして午前中に光のお父さん、午後に用事というプランを強行。
引きこもりの身にはいささか辛い日曜日となりますが、頑張りたいと思います。
ちなみに一目でヒカセンと分かるように、

劇場にはマエルさんのアクキーをつけたショルダーバッグを持参。
真の英雄はまず外見から決めていくもの、このへん初心者若葉ちゃんは見習うように。
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何事もなく地元の駅を出発し、二条駅に到着。

電車の中では寝過ごすまいと珍しくツイッターで現状を呟き、目を開けておくことに成功。
ここまでくれば映画館は目と鼻の先。
ささっとチケットを発券し、上映前にジュースでも飲んでリラックスしておくことに。

シャッター閉まってるんですけど。
なにこの「コンテンツに参加出来ません」みたいな感じ。
アイテムレベルですか、私のアイテムレベルが足りないんですか。
マエルさんのアクキーだけでIL1000は余裕なはずですけど!!
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シャッターが閉まってて先に進めないと思いきや、劇場は建物の4階で、エレベーターは普通に動いていました。
これが都会の罠、なかなかの初見殺しギミックですね。
ヒカセンとして経験を積んでいなければ私も危ないところでした。
ともあれ、無事に劇場へ到着。
発券も済ませて一息ついた頃、そういえば電車で呟いたツイッターはどうなっているかなと見てみると、

エオルゼアのフレンド且つフォロワーでもあるジョーさんと、自分の状況が似ていることが判明。
・・・いや、似てるっていうか、これまんまでは?
もしかして、同じ劇場にいるのでは?

いや、いやいや。
そんな、まさか、光のお父さんの導きでヒカセン同士が巡り会いますか?
この京都は二条の劇場で?
そんなことを思っていると、ジョーさんからDMが飛んできました。

そうですよね。
同じ朝の上映だとしても、劇場まで同じなんてことありませんよね。

しかしジョーさんも8時45分開始ですか、へぇー。
しかも同じシアター9ですか、ふーん。

いやいや、いるどす。
これ絶対に同じ場所にいるどす。
やってくれましたね光のお父さん、もう映画どころじゃないんですけど。
「近くに超有名芸能人がいる」くらいの衝撃なんですけど。
こ、こんなことなら東京出張編で用いた浴衣を着てくるんだった。
い、いちおう午後からの用事がそれなりのものなので、変な服装はしていないと思うけれど、大丈夫ですかね。

なんでそっちはそんな余裕なんですか?!
人見知りの私だけが一方的にドキドキしてて馬鹿みたいじゃないですか。
そんなことを思っていると上映時間が近づいてきたので、

これだけ伝えて携帯の電源をOFFに。
異常事態とはいえ決まりは守る、映画視聴者としては当然のマナー。
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なるほど劇場版、知ってたけどいいお話でした!!
ネタバレ禁止をモットーにしている当サイトが言えるのは上記の一文のみ、あとはご自身の目で。
さて、映画を見終わっても一息つけないイナゴ。
なぜならこの劇場にはほぼ確定で、

エオルゼアのフレンド且つフォロワーでもある、ジョーさんがいるのだから。
まさかこんな所で知人の光の戦士と邂逅イベントが発生しようとは、心身ともに準備が出来ていないため小鹿のように震える次第。
もっとも、これは強制イベントではありません。

私には今すぐ目の前のエスカレーターを駆け下り、二条駅まで走って電車に乗り込む――という選択肢もあります。
そうした後で「今日は用事があるのでー」とDMを送れば、世は事も無し。
おそらくジョーさんは残念に思いながらも、エオルゼアではこれまでと変わらない対応をしてくれることでしょう。
しかし、しかしですよ――
それが英雄のやることですか?
エオルゼアに足を踏み入れて、共に冒険して、共に笑い合った仲間がそこにいるんですよ。
なのに背を向けて逃げ出すなんて、そんな英雄に誰が憧れるって言うんですか!!

人見知り上等、人間不信大いにけっこう!

されど私は、あの世界で出会ったジョーさんを信じる!!
加えて言うなら、


約1年前のリアルマエルさんとの邂逅、あれが私を強くしたっ!!
あれに比べたら今回の突発イベントなんて余裕ですとも。
なんせ障害は、己の心1つだけなんですから。
次回ついにジョーさんとリアル邂逅、まだまだ予想外の出来事が続きます。