第40話:オフ会参加録⑩「いざ、リア充達の中へ」

前回のあらすじ。
ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝の前に、この素晴らしい世界に祝福を! 紅伝説を見ることにしました。
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外伝やら伝説やらで大変なことになってきました。
ちなみに、このすば(この素晴らしい世界に祝福を!)もテレビシリーズは視聴済み。
しかしながら先週も書いたように、私は巷でサイボーグと呼ばれるほどに心が死んでいるイナゴ。
はたして上映中、私を笑わせることが出来るかな紅伝説!


序盤でもう笑いました。
上映中は静かにするのがマナーですが、耐えれませんでした。
いやそんな大笑いしたわけじゃないですけども、「んぐっ・・・くふぅうっ!」って感じの気持ち悪い笑い声が出ました死にたい。
申し訳なさ過ぎて、エンディング後に劇場が明るくなっても隣の人の顔が見れませんでした殺して。
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さて、そんな紅伝説に続くはヴァイオレット・エヴァーガーデンの外伝。
先はらしくない失態を見せてしまいましたが、今度はそうはいきません。
はたして上映中、私を泣かせることが出来るかな外伝!


泣きませんでした。
いや、いい話でしたよ。
すごくいい話、最後まで感動たっぷり。
ですが、どうしてですかね、不思議と涙は出ませんでしたね。
歳とともに涙腺が固くなっているのでしょうかね。
だとしたら私のものは鋼鉄製ワイヤーくらいのレベルに達していると思いますけども。
こうなると家族が死んでも泣くかどうか怪しいところ。
光のお父さんでマイディーさんが最序盤に抱いていた疑問、「僕はこの人が死んだ時、泣くのだろうか?」に最後の最後で急接近するブログ、私が歩んだエオルゼアのそれから――どうぞよろしくお願いします。
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映画も見終わり、三条でやることもなくなったので、バスを利用して京都駅へ戻ることに。
その道中、オフ会のグループDMに動きがあったので見てみると、

参加者の1人であるかじゅまるさんが、リア充の香りを放っていました。
「オフ会前の日中からハマヨコで遊ぼうぜ!」なんて、言動が完全にリアル充実者。
根暗+ひきこもり+オタクという、暗黒3コンボをキメている私とは相容れない何かを感じます。

えっ、皆さんのリア充力すごくない?
私と同じ属性の光の戦士が希少種であることは知っていますが、それにしたってすごくない?
「日中暇してるピーポーいねーの? イェア!」という誘いに、皆ほいほい乗っていくじゃないですか。
もっとこう、あるでしょうよ。
不安とか緊張があるでしょうよ。
過去のオフ会で顔見知りになっていたとしても、そういう感情ってあるでしょうよ。

ないの!?
そんな簡単に「まぜてー」って言えて、「おけぽよー」と返せるレベルなの?
エキルレのお誘いじゃないんですよ?

改めて自分がどこへ行こうとしているのか、それをバスの中で再認識することとなりました。
私が今日1人で映画を2本連続で見たボッチであることなど、彼らは知る由もないのです。
とはいえ、ここで既読スルーを決め込むのはよろしくない。
オフ会に参加すると決めた以上、その一歩を踏み出すことは覚悟の上。
乗るしかない、このビッグウェーブに。

控えめに乗りました。
我ながら素晴らしいチキン、文末の「(行けるとは言ってない」がいい味出してますね。
これリア充だったら「行けたら行くんで、しくよろw」とか書く部分なんでしょうが、私にはこれが精一杯です。

スケブ改め色紙ってなに、何させる気?
何も出来やしませんよ? 私はチンケな虫なんですから!!

ほらご覧、もう逃げ腰だよ!
中華街には行くけど、皆とは合流しない方向に動き出しましたよ!!

あ、駄目だわ。
そもそも中華街に行けなくなったわ。
そう、アルチさんは私の素顔を知っている。
なぜなら東京に行ったあの日、

物陰からマエルさんと話す私を一方的に捕捉していたから!!
なんという卑劣な行い、まさに外道(マエルさん以外とは顔も合わさず撤退した自分のことは棚上げ)。
とはいえ、あの出来事ももう随分前なので、

ちょっと確認してみることに。
人間の記憶力なんて弱いもの、粗末な事はすぐ忘れてしまいます。
もっとも、同じゲームの、しかも同じFCに所属するプレイヤーの素顔を見たのです。
これはもう粗末な事ではない、強烈な記憶として残っていることでしょう。

人の顔を粗末とは何事だ、張り倒すぞ!!
信じられない、一方的に覗き見して、

こんなツイートまでしてたくせに、覚えてないなんて。
しかもそれを何の悪びれもなく淡々と、「忘れた」という三文字で告げるなんて。

なんですか、私の顔はそんなに記憶に残らない顔だったんですか!
特徴がないのが特徴みたいな、ジム・カスタムみたいな顔だったんですか!!

背丈は覚えてるんですね!!
どうせならそっちも忘れてよかったんですよ?!

こうなったら見栄を張るしかない。
じつは成長期ですって嘘をつくしかない。

見栄失敗!!!
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そんなこんなありましたが、バスは無事に京都駅へと到着。
新幹線であればこのまま横浜を目指す時間帯ですが、あいにくと深夜バス予約者なので時間に余裕があり過ぎる状態。
もっとも、ここから先ノープランというわけではありません。
東京出張編から約1年、イナゴは成長しているのです、えらい。
というわけで向かったのはこちら、

京都タワーです。
「ありきたりーw」と思った方、甘い、京都の茶菓子より甘いですよ。
京都タワーを上る――ならば、たしかにありきたり。
しかし、今回の私はなんと京都タワーを下ります。
そう、地下へと赴くわけです。
そこにいったい何があるのか・・・これ京都に住んでても知らない人が多いんじゃないでしょうか。
じつは京都タワーの地下にはですね、大浴場があるんですよ。
今回はそこでゆっくりし、綺麗な状態で深夜バスに乗ろうという作戦。
なんせ今日は汗をかきましたからね。

えぇ、まぁ、なにが原因とは言いませんけども。
さて、大浴場に行くとなれば着替えやタオルが必須。
これは京都駅に置いてきたキャリーバッグを取りにいかねばならない。

なんせ夕方に大浴場へ行くプランは事前に計画されていたもの。
ゆえに私のショルダーバッグにはすでに、着替え、タオル、お風呂セット、洗濯物を入れるビニール袋などが完備されています。
そう、午前中にキャリーバッグからショルダーバッグへと切り替えた際に、荷物の移動まで完了させていたのです。
これが1年の成長ですよ。
おかげでバッグが日中ずっと重かったわけですが。
何かを得る為には何かを犠牲にしなければならない、等価交換の原則だから仕方ない。
ということで、ちょっとお風呂入ってきます。



日中の疲れが取れるほどに、いいお湯でした。
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汗を流してスッキリした後は休憩スペースで小休止。
火照った体に水分を入れてクールダウン。
そんなこんなしていると、

ツイッターでアカイモさんより、新設のDMグループに誘われていることに気付きました。
どうやらこのグループは、21日の日中に中華街で合流出来るであろう参加者を集めている様子。
先のかじゅまるさんの発言がきっかけで出来たのでしょうが、よもや誘われていようとは。
アカイモさんありがとうございます、控えめでも波に乗っておいてよかった。
エオルゼアでもリアルでも、自分の意志を伝えることは大事、はっきりわかんだね。

それにしても率先してグループを作るあたり、アカイモさんも相当なリア充ですね。
おそらくパーリーピーポーの中でも上位種です、間違いない。
いや、別にびびってませんよ。
そんな、あの、「かじゅまるさんに続き、こういうことがホイホイ出来るアカイモさんって人も、絶対金髪でアクセサリーとかジャラジャラつけたパーリーピーポーどす。おっかないどす・・・」とか思ってませんよ。
「耳はもちろん、鼻や唇にも装飾品つけてる光の戦士どす・・・。ILが非常に高い」とか思ってませんよ、びびってません。

あ、自分はこんな感じで、おなしゃす。
そんな気しなくていいんで、おなしゃす、へへへ。
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想像上のアカイモさんに
しかし中華街、さぞ美味しい物で溢れていることでしょうね。
私的には北京ダックが食べたい。
そんなことを考えながら歩みを進めていると、

なんともステキなマシンを見つけてしまいました。
見てくださいよ、「まるで宇宙旅行、無重力マッサージ」ですよ。
並ぶ言葉が地球を超えてるのやばい。
これは京都タワーの秘密を知ってしまった感、ありますね。
10分200円というお手頃価格でこんな体験が出来るとか、NASAが黙っちゃいませんよ。

意気揚々と200円を入れ、ガンダムのコックピットのような椅子に着席。
これから始まる宇宙旅行体験に胸がざわめく次第。
そう――まさかこれが地獄への入り口になろうとは、この時の私は知る由もなかったのです。