第2話:アーリーアクセス開始! しかし・・・

前回のあらすじ。
蒼天のイシュガルドを目前に、私は思い出溢れるFCを抜けたのでした。
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そんなこんなありながらも時は過ぎ、ついに蒼天のイシュガルドのアーリーアクセス開始日に。
私はメインストーリーをそこまで進め、装備も新たにし、アクセスコードも持っていましたが、当日ログインすることはありませんでした。

それは仕事だったから――というのもあるですが、休日であってもログインはしなかったと思います。
初日はアクセスが集中し、いわゆるログイン戦争が起きます。
そうまでしてFF14をしたいと、当時に自分が思ったかどうかは微妙なところです。
その翌日、「ちょっとだけ覗いてみようかな」とPS4を起動。
しかし、ゲーム開始時の画面にキャラクターが表示されないという不具合が発生していたため、半ば強引に電源を落としてふて寝。
あんなに楽しみだったはずのアーリアクセス。
でも今はやる気も起きず、不具合にも見舞われる始末。
結局私がイシュガルドを始められたのは、アーリアクセス開始から2日が過ぎた6月21日の夜。
それまでにフレンドさんのエタバンがあったのですが、欠席することとなりました。
◆

ついに始まった私のイシュガルド。
しかし、やる気は底辺。
あの一件以来、どうにもモチベーションがあがらなくなっています。

それでも惰性でゲームをプレイ。
淡々と新たなストーリーを進めていく私ですが、途中であるフレンドさんと出会います。

そのフレンドさんは、クライブさんでした。
私がお辞儀のエモをすると、それに気付き手を振ってくれました。
その姿は心からイシュガルドを楽しんでいるように見えて、とても眩しかったのを覚えています。
お邪魔してはいけない――そう思い踵を返した私に、クライブさんは言いました。
「楽しんでいますか!」

その問い掛けは、あまりに残酷なものでした。
こちらの状況を知らないクライブさんにとっては、何気ない問い掛けだったと思います。
しかし、当時の私にとってそれは、とても返答に困るものだったのです。
楽しくない。
こんな気持ちで、ゲームなんかしたくない。
本当は打ち明けたかった。
「イシュガルド前にこんなことがあって、今はちょっと落ち込んでいます」、そう言って縋りたかった。
「こんな時、クライブさんならどうしますか?」、そんなくだらないことを聞いてみたかった。
でも、それはクライブさんの時間を奪う行為。
それだけは出来ない。
今を心から楽しんでいる人の時間を、心から楽しんでいない私が汚してはならない。
そうして、少しの間を経て私は返答します。
「楽しんでいますよ!」――と。
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クライブさんと別れた私は、ストーリーの進行を再開。
しかし、その足取りは先よりも少し重くなるのでした。