第10話:EVEの会議にて

前回のあらすじ。
雲海にて誓いを立てた私はEVEに所属。
来たるべきFC会議に備えるのでした。
◆
FC会議、それはマスターを中心にメンバーが集まり、大事な話し合いをするイベント。
学校とか会社だと酷くテンションが下がりますが、遊び場でのこういうのは不思議とわくわくしますよね。
私だけでしょうか!?
しかし、そんな会議に旅人スタイルで参加するのは如何なものか。

ひょっとしたら皆さんはビシッと決めてくるかもしれません。
なんたって大きな円卓を用いたFC会議。
アーサー王物語みたいになる可能性も十分あります。
そんな中に、くたびれたコートを着たキャラクターがいては台無しです。
ここは1つ瀟洒な服装――

このイシュガルド前に着ていた装備で!!
そんなこんなで臨んだFC会議は、

マーベラス!!
円卓を囲むは錚々たるメンバー達。
各自の装備や椅子に統一性はありませんが、だからこそ美しい。
他のどこにも真似出来ない、EVEならではの会議風景。

思わずドーナツを前にした吸血鬼のテンションでした。
◆
そんな会議もいよいよ終盤。
そこでアミティーさんが告げたのは、飛空挺に関する事柄でした。

飛空挺作成、それはハウジングと同様にFC全体が一丸となって臨むコンテンツ。
各自で素材を用い、工程を進めていくことで完成する飛空挺は、やがて大空を渡り冒険者の世界を広げてくれます。
EVEも例に漏れずこれに着手する様子。
そのために必要な素材が、今まさに発表されると思っていたその時――
「詳細はDMで伝えた通りです」

D、M?!
D&M?!!
ここにきて聞きなれない単語。
なにかの略であることは間違いありませんが、頭の回転が悪い私は密かに困惑します。

D.M……。
DとMの組み合わせ。
そこから導き出されるもの――
ま、まさか!!

つまり、
「マックで伝えた通り」ってこと?
えっ、知らないんですけど。
ていうか、誘われてないんですけど!!
なにこれ、新人イジメ?
加入早々、はぶられてるの私!?
いや、落ちつこう。
EVEはサスタシャ村で誕生したFC。
エオルゼアで出会ったプレイヤーが都合良く同じ県や府にいる可能性は低い。
ましてやEVEのような大家族なら尚のこと。
なのに一箇所のマックに集えるだろうか?
仮に集えるとしてもメリットはあるだろうか?
否、断じて否!
飛空挺の素材を聞くためだけに、遠方のマックに行かなきゃいけないFCとか即抜けです。
特に私は田舎在住ですからね、東京のマックとか怖くて行けませんからね。
マックと略さず、マクドと略して育った生粋の田舎者ですからね!!
では、改めてDMとはなんでしょう?
よもやドクター・マリオじゃあるまいし。
あれ任天堂ですし、FF14はスクエニですし、おすし。
そんなこんな考えていると、
「ではそろそろ会議終了しますが、なにか質問ある人?」

お、終わる!?
DMがなんなのか分からないままに、初参加の会議が!
椅子を用意して、服装まで改めて挑んだこのイベントが!!
ドナルド・マクドナルドとドクター・マリオで終わってしまう!!!
「すいません、DMってなんですか!」
そうして私は質問を口にしました。
私の知識が足りなかった。
でも、それでいい。
聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥。
分からないままじゃ、前には進めないのですから。