番外編:セミコーデその⑤「最後のセミコーデ」前編

前回のあらすじ。
修羅Aさんの協力を得て、マフユさんのコーデを手掛けました。
その結果は注文通りとはいきませんでしたが、いちおうの成功。
お礼として何かもらえることになりました。
◆

虫コーデになってしまったというのに優しいマフユさん。
そうですね、今欲しいものといえば――やっぱりあれですね!

マフユさん作のイラストがいいです。
描いてください、サイズ教えますので!
しかし、

こちらの注文が予想外だったのか、取り乱すマフユさん。
無茶振り? 無茶振りですって?
あのですねマフユさん、

当サイトのここを、いつまでも工事中にしとくわけにはいかないんですよ!
この部分はいわばサイトの顔!
それがいつまでも隠れているなんてありえないんです。
サイレントヒルの△様じゃあるまいし。

しかしマフユさん、絵は描かないと断固拒否。
この時私は「マフユさんはよく絵を描く人」という都合のいい勘違いをしていたのですが、会話の流れで誤解であることが判明しました。
これは申し訳ありませんでした。
なんかこう、描けるオーラを勝手に受信していました。
じゃあそうですね、他に欲しいものといえば――

んん? そういうことだよ?
絵は描かないって言われましたけど、それなら尚更見てみたい。
私は今回の報酬に、マフユ・ピカソの作品を所望します。
描けない、なんて戯言は聞きません。
なんせ絵は紙とペンさえあれば描けますからね。
家にそれらがないなんてこと、ありえませんからね。
時代は21世紀、紙やペンが貴重だった時代はずっと昔に終わっているんです。
マフユさんだって、家でちょっとしたことをメモしたりするでしょ?

予想以上に21世紀を生きていたマフユさん。
HBの鉛筆とチラシの裏が現役の我が家とは違いました。
マフユ・ピカソ、誕生ならずです。

では私へのお礼はいいので、修羅Aさんへのお礼をお願いしましょう。
くれぐれも機嫌を損ねない品物をお願いしますね。
もし本人が気に入らなければ、修羅版ウィリアム・テルごっこが実施されるかもしれません。
裏社会ではけっこう有名な催しですよね。
相手の頭の上にシャインアップルを置いて、それをレイン・オブ・デスで狙うやつ。


◆
しばらくして、マフユさんからのお礼が届きました。
私の分は特に言っていなかったのですが、なんといただけましたよ。

可愛い花飾りと、

あたたかい料理を!
心に染みますね、ありがとうございました!
Aさんへの贈り物ももちろん届きました。
しかし私はそれをAさんに渡す際、「誰からのなんの贈り物であるか」を言わずに渡しました。
それでこそ本心が聞けると思ったからです。
ちなみにその品というのがこちら、

緋樹液です。
しかもHQで99個あります。
私には価値が分かりませんが、きっとAさんにとっては貴重品なのでしょう。

翌日、Aさんのログインを確認して配達する私。
さてさて、その反応やいかに。


血も涙もない感想です!
てっきりトリートメントに使うのかと思いましたが、予想がはずれました。
でも、こういうのはプライスレス。
気持ちが大事ですからね。
修羅であるAさんがそれを理解出来るかは知りませんけど。
ともあれ受け取ってもらえたので配達は成功。
その後にちゃんとネタばらしもしております。
改めてAさん、マフユさん、セミコーデにご協力ありがとうございました!
◆
さて、いよいよ今回のセミコーデなわけですが、その前にお知らせがあります。
このセミコーデのコーナー、今回を含めてあと3回で終了します。
さらに言うと最後の週はあとがきみたいな感じにする予定なので、実質来週が最終回みたいなものです。
ツイッターから始まったこのシリーズもいよいよフィナーレ。
幕が閉じきるその瞬間まで、皆さんどうか楽しんでいってください。
それでは最後の

リンマさんです。
とてもキュートな髪型の依頼主さんですね。
誤解無きよう言っておきますが、ララフェルの依頼主が多いのは偶然です。
4人中3人がララフェルでしたけども、まったくの偶然です。
さて、そんなリンマさんのオーダーはじつは事前に確認しております。
今回のコーデテーマはこちら!
「アフロに合うコーデ」
最後にしては簡単に見えますよね?
私もそう思いました。
こんなの映画のサタデー・ナイト・フィーバーとか、幼少の頃のマイケル・ジャクソンを参考にすればすぐ出来ると思いましたよ。
しかし、リンマさんの注文には追加があったのです。
それは「サタデー・ナイト・フィーバー的なのはなしで」というもの。
つまりは、「サタデー・ナイト・フィーバー系統以外のしっくりくるアフロコーデ」が今回のテーマだったわけです。
これは困りました。
いっきに難易度が跳ね上がりましたね。
アフロといえばダンサーというのが世間の常識。
そのコーデとなれば自然とフィーバー的なものになってしまいます。
しかし、今回はそれではいけません。
求められたのは異なる完成形。
常識や固定概念に囚われない発想力。
それを形にし、魅せることが出来るコーデ力。
間違いなく最後に相応しい難題です。
ちなみにコーデするジョブは白魔道士になりました。
◆

レッツマーケットと思いましたが、さっそく思い悩みます。
予想以上にアフロ=ダンサーの図式が強いです。
「キャンプといえばカレー!」ってくらい強いです。
でも、それじゃ駄目なんですよね。
「キャンプといえば麻婆豆腐!」って言えなきゃ今回のコーデは完成しません。
ならば、逆転の発想!
アフロとは無関係なものを合わせ、強制的に斜め上の方針を導き出します。
たとえばそう、アフロ+Windows 10とか。
駄目ですね、アフロのついたパソコンが一瞬で浮かびました。
しかも画面に「髪質をアップデートします」って文字が出てるところまで余裕でした。
逆転の発想、敗北です。
ならば、アフロから連想出来るものを片っ端から取り上げていくのはどうでしょう。
その中から新たなコーデの形が見えるかもしれません。
いわゆる、マジカルバナナ発想!
アフロ、アフロ……。
アフロといえば、ダンサー、ボクサー、パパイヤ鈴木、イデオン、ニュータイプ。
駄目です! どれもこれも納得のいくものじゃありません。
というか、イデオンやニュータイプをエオルゼアでどう表現したらいいのかも分かりません。
マジカルバナナ発想、敗北です。
どうしましょう、思った以上に難航しています。
装備が決まらないならまだしも、方針が決まらないというのはまずいです。
しかし、この状況どこかで経験したような。
どういうコーデにしたらいいか分からず、お手上げになったことが過去にあったような――
あっ!

前回のマフユさんの時と同じです!!
そうでした、「詩人ぽさ」がお互いに分からずコーデの方向性が見えなかったあの時と!!
ならば、解決策は見えました。
アフロのことに詳しそうなフレンドさんを頼る、もうこれしかありません。
そうと決まればさっそく行動です。
今会いに行きます、アフロに詳しそうなフレンドさん!

終わった、終わりました。
今回のコーデ、私の敗北です。
悔しいですが、もう思いつきません。
サタデー・ナイト・フィーバー要素のないアフロコーデなんて無理です。
リンマさん、ごめんなさい。
力足らずを許してください。
今の私にはリンマさんの期待に沿うコーデが出来そうにありません。
せっかく依頼してくれたのに、リンマさんの……
リンマさん、の?

なんてこと!!
ここにきて気付きました。
私がコーデするのはアフロじゃない、リンマさんというフレンドさんだ!
髪型にばかり目が行って、本質を見失っていました。
私が見なきゃいけなかったのはアフロじゃなく、リンマさんというキャラクター。
忘れていました、コーデを手掛けるうえで1番大切なことを。
依頼主を思いながら全力でコーデする、ただそれだけで良かったのです。
さすれば自ずと見えてくるのです、その人だけのセミコーデが。
◆
翌日、私はリンマさんをグリダニアへと呼び出しました。

初っ端からそう漏らしましたが、呼び出したということは出来たのです。
私が思うリンマさんのコーデ。
その名も、
「アフロ家の御曹司コーデ」
それではビフォーアフター画像を用いて紹介しましょう。
これが最後のセミコーデです!


如何でしょうか!
アフロと掛け合わせた絢爛装備の数々。
バランスを考えたデザインと色合い。

リンマさんの反応も上々。
それでは、解説させていただきます。

頭装備はハードシルバーモノクル。
御曹司ということで気品を感じさせるとともに、外見だけで博学なところを表現しています。
さらにアフロだけど瀟洒、そんなイメージを抱かせる一品です。

胴装備はハロードラミー・ヒーラータブレット。
「ヒーラーといえばローブやマント」というイメージを根本から覆してみました。
まるで英国の貴族を思わせる雄々しくも奇抜なデザイン。
それを後押しする豪華な装飾。
決してヒーラーらしくはないけれど、いざ杖を握れば間違いなくパーティ全体を癒し、背中を押す存在となります。

次の腕装備はヴァンヤヒーラーグローブ。
胴装備と掛け合わせるためグリーンに染色し、うまく共存させています。
しかし、これの特徴はなんといっても、

ここ!
そうなんです、この装備をつけることで人差し指までお洒落に!
グリーンに染色したことで黒色なのがより引き立っています。

続く脚装備はウールギャザラーサリエル。
御曹司なら乗馬くらい出来て当たり前、そんなイメージを形にした一品。
乗馬ズボン独特の膨らみあるデザインに加え、さらにそれを赤く染色することでグリーンベースのコーデにアクセントを加えています。

最後に紹介するのは足のドラゴンレザー・ヒーラーブーツ。
こちらは脚装備のサリエルの膨らみを保つもの且つ、煌びやかな細身ブーツにしました。
足装備が長いと膨らみが隠れてしまい、短いと乗馬ズボンらしさが失われてしまうため、ぴったりのサイズを探すには苦労しました。
しかしその結果、マフユさんの時とほぼ同じブーツになってしまったのが反省点。
頑張ってヒーラー装備の中から探したのですが、改良の余地があるかもしれません。
以上が今回のセミコーデになります。
いつもならここで感想を聞き、成功か失敗かを書いて記事は終了。
しかし、だがしかし!
今回は違いました!!
リンマさんに感想を聞いた際、とんでもない事が発覚したのです。
それは――

これは予想外!
なんとリンマさん、過去に御曹司コーデを制作されていました。
セミコーデ始まって以来のハプニング、まさかのコーデ被りです。
でも、これで終わりじゃありませんでした。
事態は、さらに想像の斜め上へと向かっていったのです。

次回、セミvsアフロ。
一世一代の大勝負の結果は、はたして。