番外編:セミコーデその⑥「最後のセミコーデ」後編

前回のあらすじ。
アフロのフレンドさんこと、リンマさんのセミコーデを手掛けることになった私。
苦悩の末にたどり着いたアフロ家の御曹司コーデに確かな手応えを感じていたのですが、

ここにきて、まさかのコーデ被り。
そのことがきっかけで戦いの火蓋は切って落とされたのでした。

◆
そんなわけで始まりました異色の対決。
かつてどんな冒険者も見たことがない、セミとアフロのドリームマッチです。
先手を取ったのは私ことセミ。
幾多のセミコーデを完成させ、依頼者を感動の渦に巻き込んできたその実力は、「光の戦士は強いだけじゃない!」ということを市民に知らしめることとなりました。



なりました!

一方のアフロことリンマさんの実力は未知数。
しかし、セミと同じ方向性のコーデを思いつき、それを完成させていることを考えればコーデ力は相当なものでしょう。
隠れたお洒落の申し子が今、アフロの如くエオルゼアを震わせます。

そう言って走っていくリンマさん。
次に現れた瞬間、それがゴングです。
はたしてどんな御曹司になって帰ってくるのでしょうか。
今回はビフォーアフター画像ではなく、私とリンマさんのコーデを並べておきます。
どちらのセンスがより素晴らしいか、皆さんも判定してみてください。
それでは参りましょう、セミvsアフロ――開戦!


如何でしょうか!
双方ともアフロにマッチする気品漂うコーデ。
どちらの服装も間違っていない、正真正銘の御曹司。
驚いたことに頭装備のチョイスは同じでした。
あえて言わせてもらいましょう、リンマさんと私のセンスはほぼ互角であると!
しかしながらこの勝負、私の勝ちですね。
実力が同じであるなら、あとは経験の差がものを言います。
残念でしたねリンマさん、指摘させていただきましょうか。
あなたの敗因はずばり、
「煌びやかさ不足!」
シックな雰囲気を醸す胴装備ことフェルトブリオーのチョイスはグッド。
しかし、だからこそパンチに欠けています。
御曹司たるもの、外見で周囲を圧倒出来ねばなりません。
あなたのコーデにはその威圧感が足りないんですよ!
さぁて、それじゃあ「参りました」の一言を聞きましょうか!!

えっ

せ、背中――


な、なにー!!
か、かっこいい! そして、見えます。
このアクセントが、名家の家紋に見えます!!
ただのシックな装備じゃない、家を背負って立っている御曹司ならでは装い。
背中のワンポイントで全てを語るその姿はまさに、お洒落界の水戸黄門。
まさか、フェルトブリオーにそんな魅力があったなんて――
手痛いカウンターを受けましたが こちらだって御曹司として負けていません。
勝敗は未だ決せず、しかしてこのままでは埒が明かない。

そんなわけでLSの誰かに審判をしてもらうことに。
といっても時刻はすでに深夜、はたして反応してくれるでしょうか。

切られました。
まだ用件も言ってないのに切られました。
それでもなんとか事情を説明し、審判の確保に成功。
では紹介しましょう、今回のジャッジを担う2人のフレンドさんを。

1人目はアミティーさん。
セミコーデ2番目の
その経験者ゆえの審査眼に期待です。

2人目は謎の裁縫師さん。
クラフタークラスの中でも裁縫師は衣類のスペシャリスト。
自身の装いはもちろん、他人の着こなしも見定められるはずです。
さて、いったいどのような――

は、早い!
謎の裁縫師さん、さっそくです!
ていうかまだちゃんとコーデ見てない気がするんですけど。

なんか酷いこと言ってます!
まるで料理を食べる前から否定する美食家です。
もちろんこれには私とリンマさんが反論。
ちゃんと双方のコーデを見てもらうことになりました。



ふと審査員の1人が呟いていました。
いやいや、どっちもちゃんとした御曹司ですからね。
「ちがう」とかないですからね。
その後も厳しい眼と言葉による審査が続きました。


しかして、その結論は――


まさかの審査拒否!
いやいや、それでは困ります。
なんのために2人を呼び出したのか分からないじゃないですか。
私とリンマさんのコーデがハイセンス()なのは認めますけどね!
それでは改めてジャッジしてもらいましょう。
勝つのは私か、それともリンマさんか!



勝負ありー!!

選ばれたのはリンマさんのコーデでした。
やはりあの胴装備がこちらよりも一枚上手だったようです。
衣服だけに、衣服だけに。
ただ審査側的には、


やっぱり、どっちもないようです!
◆

コーデの道は険しく遠い。
けれど、今回の敗北も決して悪いものじゃありませんでした。
出来ることなら、また勝負したい。
出来ることなら、もっとセミコーデを続けたい。
しかしながら前編で述べた通り、このコーナーは次回で終わりです。
あとがきっぽくなると思いますが、どうか最後までお付き合いくださいね。