第5話:意地の代償

前回のあらすじ。
北海道での晩御飯を堪能したのでした。
◆
お腹が満たされた私達は車に乗り込み、今回宿泊する宿へと向かいます。
しかし、到着前にちょっと寄り道。
「北海道といえばあそこ!」と言っても過言ではない店へ足を運ぶことに。
たぶん道民の方はこの時点でお察しでしょう。
そうでない方もだいたいの予想はついていると思います。
ですが、あえて写真を掲載。

そうだね、セイコーマートだね。
北海道にきたら絶対にはずせません、分かってますとも。
ちなみに買い物中アイさんに、「セイコーマートといえばこれ! みたいな商品ってあります?」と質問。
コンビニには必ず一押しの商品がありますよね。
ローソンのからあげクン然り、ファミリーマートのファミチキ然り。
ではではセイコーマートの一押しとはなんなのでしょう?
しばらく考えた末、アイさんはこう答えました。





商品見たらみっちり入っていました。
いや、うん、たしかに多いんですけど。
なんか違う、私が聞きたかったのってそういうのじゃない。
◆

セイコーマートで買い物してしばらく、無事宿に到着。
しかしその前に、見てください!

この駐車場を見てください!!
ほどよい水分を含んだ氷の大地です。
もう言わなくてもわかりますよね?
これ、1番あぶないやつ!

ミーさんとアイさんから警告を受けつつ、慎重に足をつけます。
一瞬でも気を抜けば、転倒は必至。
けれど、それだけは避けたい。
なぜならツイッターで、

私が転ぶことを望んでいる人達がいたから!!
おのれ、ヒカセンの皮を被った悪魔め。
あなた達の思い通りなどならない、絶対にだっ。

しかし、数歩踏み出しただけでバランスを崩す私。
まるで生まれたてのイナゴ。
でも、それでも転びたくない。
悪魔の望みを叶えないためにも!
そして、ミーさんとアイさんに格好悪いところを見られないためにも!!

そうして根性で体勢を維持。
やりました、なんとかくぼみを利用し、転倒を免れました。
どうだ、見たか、ざまぁみろです!
明日のツイッターではこう呟いてやりますよ、「まだ転んでません(キリッ)」ってね!!
しかし、その瞬間――


つりました(足とお尻の境界みたいなとこ)。
痛い、超痛い、泣きそう。
しかし、喚いてはいけない。
幸いなことにミーさんとアイさんは前を行き、私の異常に気付いていない。
ここは平静を装い、2人の背中に追いつくことが最優先。
頑張れ、やれる、私ならやれる!!
そうして、ゆっくりと確実に歩を進め、なんとか宿に辿り着くことが出来たのでした。
◆

今回お世話になった宿はホテル 大平原。
夜なので分かりませんでしたが、翌朝見たらけっこう大きなところでした。
当然中は広く、温泉あり、売店あり、ラーメン屋ありの贅沢空間。
ちなみに泊まった部屋はこんな感じ。


洋室と和室が一緒になっている6人部屋でした。
違和感を覚えた方、奇遇ですね私もです。
なぜ3人しかいないのに宿泊する部屋が6人部屋なのか。
気になって予約したアイさんに聞いてみると、

適当でした。
◆
翌朝、起床は7時と意外に早め。
べつに昨日つった部分が痛かったとか、そういうんじゃないですよ。
いや、ちょっと痛いですけども。
じつは私、ここまで2人にお世話になっているので、今日はとあることをお手伝いする予定だったのです。
「北海道で謳歌するお正月はどこいったの?」という方、今や日本のお正月は十人十色ですよ。
寝てる人もいれば働いている人もいるし、お餅食べてる人もいればマック食べてる人もいるんです。
つまりは、これが私の、私だけのお正月!
美味しいもの食べて、あったかい宿で寝て、お世話になった人達に尽くす――そんな年始めも悪くないでしょう。
しかし、その前に朝食。
さっそく3人で食堂へと移動します。

朝食の形式はバイキング。
和食と洋食、どちらも選べて食べ放題です。
こういう時バランス良く、そして彩り良く取れるかでその人のセンスが問われますよね。

まぁ、私には無縁の話ですけども。
ほとんど洋食、唯一の和食はめんたいこ、野菜はカレーのみ。
いいんです、バイキングなんだから好きなもの食べていいんです。
センスとか栄養とか、そんなの知りませんし!
ちなみに1番美味しいと感じたのはカレーでした。
ミーさん曰く、「十勝の人はカレーにけっこう力入れてる。愛好会があるくらいに」とのこと。
なるほど、美味しいのも頷けますね。
◆

朝食を終えた後は車で移動し、今回お手伝いする場所へと向かいます。
天気が良いとは言えませんが、誠心誠意頑張ってきますよ!
そんな中ツイッターを覗いてみると、

なんか心配されてました、埋まってないです。
ここは1つ、生存報告もかねて現状を伝えておきましょう。

うん、まだ痛い。
お尻と足の境界が痛い。
これ転んでおいたほうが被害少なかったかもしれませんね。

違いますぅー! 転んでませんー!
でも痛いんですぅー!!

意地張って体を痛めることはありません。
素直に転んでちゃんと受身取ったほうがいいです。
そんな私を乗せて、車は朝の雪道を走るのでした。