最終回:いつかまた――

前回のあらすじ。
牧場を堪能した私は、そこに靴を忘れてくるのでした。
◆

焦る私ですがどうにもなりません。
今から牧場へ取りに行こうにもなかなかの距離。
それを2人に頼むのは酷というもの。
自分1人で車を運転していくという手もないわけではありませんが、遭難か事故のデスorダイの結末しか見えません。
北海道の雪道を走って山奥に行くとか、アクセルとブレーキを間違えて車庫を破壊した経験がある私には絶対に無理です。
こうなると明日の朝しか機会がありませんが、時間的に飛行機に間に合うかは微妙なライン。
まさに万事休す。
もはや覚悟を決めるべきでしょうか。
牧場で借りた長靴を履いて、家まで帰ることを!
長靴を履いて羽田空港とか伊丹空港の中を歩くなんて、完全に足元おのぼりさん状態ですが仕方ありません。
裸足よりはマシだと考えて乗り切ってやりますよ!
そんなことを考えていると、アイさんは言いました。

なにそのアンパンマンみたいな言動。
いや、嬉しいけど、本当にいいのでしょうか。
なんか見るからにいい靴なんですが。

というわけでアイさんの靴をいただくことに。
それがこちら、

イカす。
私には勿体無いほどのお洒落ブーツ。
しかも中はモコモコしていて非常にあったかい。
ちょっとサイズ大きいですが、歩けるので問題なし。
ありがとうアイさん、これで私はおのぼりさんにならず帰れます。
ていうかもうシティー派を気取れるんじゃないでしょうか。
イナゴなのにシティー派ですよ、かっこいいですね、かっこいいんです。
ちなみに私の靴は後日郵送してもらえることになりました。
◆
ついに旅行最終日。
その朝はとある異音から始まりました。



そんな私の目に映ったのは、

なんと気球。
早朝のホテル前にて、色鮮やかな熱気球が飛び立つ瞬間でした。
先の異音は火を噴くバーナーの音。
けっこう大きな音だったのでかなりの火力だと思われます。

これには3人とも大興奮。
なんせ生の気球とかはじめてですしね。
きっとホテルのプランに「気球体験プラン」みたいなものがあるのでしょう。
しかしながら決して「私達も乗りに行こう!」とはなりません。
なぜなら、


上空からの景色よりも寒さを気にする3人。
私なんかは「上空でトイレに行きたくなったらどうするんだろう」とか考えます。

時期が冬だったのであれでしたが、夏とかだったら最高だと思います。
◆
気球を見た後は朝食タイム。
私にとってはこれが北海道で食べる最後のご飯です。
せっかくですから今回はバランスよく食べましょう。
ご飯と味噌汁も食べるけど、パンとスープも食べちゃうみたいな。
もはやこれは朝の和洋フルコースですよ。

嘘です。
完全に朝カレーセット。
サイドもカレーに合うと思うものしか取っていません。
思いましたが今回の旅はカレーが多かったですね。
どうしてそうなったのかは分かりませんが、美味しかったので良しとします。
細かいことはあまり考えない主義です。
◆
朝食が終わり、ホテルもチェックアウト。
あとは車で帯広空港に向かうのみ。
そこで私の旅行も終了です。

その車中、くもったガラスにミーさんがなにやら落書きしていました。
「あとでアイさんに怒られるんじゃ・・・」と心配する一方、なにを描いているのか尋ねてみると、

なんとも微笑ましい答えが返ってきました。
いいですよね、リス。
小さくて可愛くて、つい指先で撫でたくなるような愛らしさがありますよね。

待って、なんか私の知ってるリスと違う。
ついちゃいけないパーツがいっぱいついてる。
ていうかなにその尻尾、爬虫類?
リスの尻尾って丸くてモフモフしてたような気がするんですけど。


リスゴン!?

怪獣にすることで全ての問題を解決されました。
仕方ない、怪獣なら仕方ない。
たとえ角がはえていたり、尻尾が爬虫類でも納得するしかありません。
だって怪獣だもん。
ただあの、もうちょっと名前どうにかなりませんか。
◆

楽しい時間とはあっという間なもの。
ついに着いた、着いてしまいました。
もうすぐ北海道ともおさらばです。

空港の入口にてアイさんとはお別れ。
ミーさんはぎりぎりまで見送るとのことで、一緒に中へ。
今思えばアイさんは気を使ってくれたのかもしれませんね。
最後の最後は、ミーさんと2人きりです。
私が北海道の十勝に行くことを決めたのは、知り合いであるアイさんとミーさんがいたから。
しかしながらこの2人――特にミーさんと私は密接な関係だった過去があります。
もう何年も前の話で、今さらどうこう言うつもりはないのですが。
それでも今、こうして会えていることに幸せを感じずにはいられません。
そんな感傷に浸っていると、そろそろ飛行機が出る時間。
名残惜しいですが、最後の挨拶といきましょう。





こうして私は母に別れを告げ、今回の旅に幕を下ろしたのでした。
◆

そんなわけで北海道小旅行編、無事完結です。
最後にちょっとしたオチをつけてみましたが、こちらオフィシャルでございます。

家庭の事情になるので詳細は省きますが、私と母は幼い頃に離ればなれになりまして。
その後、お互いがどうしているかなど全然分からなかったのですが、ひょんなことから18歳の時に再会。
そこからたまに連絡を取る関係にまで戻り、現在に至る次第です。
それから間もなく社会人になってしまい、全然時間が取れなくなってしまいましたが、今回久しぶりに会うことが出来て良かったです。
そんなわけで今回の小旅行には冬の北海道を満喫する一方、母に元気な姿を見せるという目的が密かに加わっておりました。
お互いの状態はメールで分かっていましたが、こういうのは実際会って話をするのが大事ですよね。

1人暮らしをしている方など是非覚えておいてくださいね。
これも立派な親孝行の1つ、出来なくなってからでは遅いですよ。

アイさんですが、彼女は母の学生時代からの友人になります。
私は小さい頃よく遊んでもらいましたが、大人になってもそこらへん変わりなしです。
今回は靴までいただいて、本当にお世話になっております。
今も昔も母を近くで支えてくれる人なので、感謝が尽きません。
◆
さて、今回のカテゴリは如何だったでしょうか。
当サイトとしては初の試み、リアルの写真とエオルゼアのSSを合わせて記事にしてみました。
私見ですが、意外と相性はいいですね。
ゲーム内にいろいろな施設があるので撮影も捗りました。
もちろんない物もありますが、そこは工夫次第ってことで。
私的によく出来たと思ったのはこちらのSS。

これ飛行機の中から空を見ている感じにしたものなのですが、

撮影場所はグリダニアのカーラインカフェの樽の上ですからね。
こんなふうに割となんとかなるものです。
もっとも、これはあくまで1人のSS。
それ以外は、



毎度お馴染み、出演してくださったフレンドさん達あってのものでした。
この場をかりて毎週協力してくださったツーちゃん、ナルルさん。
そして教訓紹介役として出てくれた方々に改めて感謝を。
本当にありがとうございました!
次回からはまたエオルゼアを中心とした記事に戻ります。
カテゴリ「私が歩んだイシュガルドの旅路」の続編です。
更新頻度は変わらず1週間に1更新なので、のんびりまったりお付き合いください。
それでは、次のカテゴリでまた会いましょう!